会計基準は、企業が決算書などを作成する際のルールのことです。 日本の上場企業が採用しているのは日本基準、国際会計基準(IFRS)、米国会計基準の3種類です。 日本基準を9割超の企業が使っていますが、ソフトバンクグループがIFRS、トヨタ自動車が米国会計基準を採用するなど、 グローバル展開する大企業では会計基準も国際化が進んでいます。
海外基準は、日本基準よりも「時価主義」を重視しています。 決算資料に表示される資産の価値は、取得時の価格ではなく、直近の市場価格を採用するなどの原則を持っています。 最新の資産評価を反映できる一方で、現在のように景気が急速に悪化する局面では、資産価値が急減し、企業の財務悪化などの悪循環につながりやすいといえます。
各会計基準は、お互いのルールの差異を縮小するコンバージェンス(共通化)を進めています。 日本基準は退職給付会計や減損会計を導入した一方で、 欧米では日本基準に合わせてM&A(合併・買収)の際に計上する「のれん」を定期償却することを議論しています。
日本の会計は、一般に公正妥当と認められる「公正なる会計慣行」を規範としています。 公正なる会計慣行とは、1949年に大蔵省企業会計審議会が定めた「企業会計原則」を中心とし、 以後、経済・社会の変化にあわせて同審議会が設定してきた会計基準と、 2001年からは企業会計基準委員会(会計基準の設定主体が変更)が設定した会計基準を合わせたものを指しています。