IANA (Internet Assigned Numbers Authority) は、 南カリフォルニア大学情報科学研究所(ISI)のJon Postel教授が中心となって始めたプロジェクトグループで、 ドメイン名、 IPアドレス、 プロトコル番号など、インターネット資源のグローバルな管理を行っていました。 その成果はインターネット全体の共通資産という側面を多分に持っており、またその運営はインターネット的なボランティア精神を尊重したものでした。
その後、 1998年10月に国際的な非営利法人 ICANN が設立されてインターネットの管理体制が変化し、 2000年2月にはICANN、南カリフォルニア大学、 及びアメリカ政府の三者の合意により、 IANAが行っていた各種資源のグローバルな管理の役割は ICANNに引き継がれることになりました。 2002年現在IANAは、ICANNにおける機能の名称として使われています。
PTI (Public Technical Identifiers)は、米国商務省電気通信情報局(NTIA)からのIANA機能監督権限移管後に、 IANA機能の運用を担う目的で2016年8月に設立された、米国カリフォルニア州の非営利公益法人です。
PTI設立前は、IANAが管理する三つの資源(IPアドレス、ドメイン名、プロトコルパラメータ)のうち、 ドメイン名については「ポリシー策定」と「IANA機能の運用」の双方が、ICANNという一つの組織に包含される体制でした。
これに対して、IANA機能監督権限移管後は、IANA機能の運用をICANNとは別法人のPTIに委託することにより、ドメイン名においても、 「ポリシー策定の場」(ICANN)と「IANA機能の運用組織」(PTI)が分離される体制となりました。 この運用母体の変更が、IANA機能の運用へ影響を及ぼさないよう、 PTIはICANNからそのまま運用を引き継ぐことが、以下のように定義されています。
IANA機能の運用母体はICANNからPTIに変わりますが、IANA機能の運用そのものに関する変更はありません。