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Bluetoothの方向検知機能は、従来は、電波強度を利用していました。 受信信号強度の強弱により距離の推定が可能で、 複数台のLocator(ロケーター)を組み合わせることで位置を推定できるようになります。 ただし、電波強度は周辺環境(障害物、人体、水分)の影響や、アンテナの向きや種類により変化しやすく、 適用するアプリケーションによっては精度が低いという課題がありました。
Bluetooth 5.1では、方位角検出のためのオプションとして、 パケットフォーマットにConstant Tone Extension fieldが追加され、より高精度な位置情報サービスへの適用が可能になりました。 方位角測定法には、AoA(Angle of Arrival)とAoD(Angle of Departure )があります。
AoAは、受信機側の複数のアンテナを切り替えて受信します。 受信機側で受信した信号のIQサンプルから位相差を算出することで、受信波の入射角を推定します。 AoAは送信機の構成はシンプルになりますが、受信機にはアンテナアレイとIQサンプリング機能の両方が必要になります。
AoDは、送信機側の複数のアンテナを切り替えて送信します。 受信機側で受信した信号のIQサンプルから位相差を算出することで、受信波の入射角を推定します。 AoDには、送信機にアンテナアレイが、受信機にIQサンプリング機能が必要になります。
Bluetooth 5.1では、これらの機能を利用して高精度な位置検知が可能になり、 条件にもよりますが従来は数mほどだった精度を数十cmに向上させることが可能です。