トップ > 用語解説 > ネットワーク関係 > Wi-Fi > DFS(Dynamic Frequency Selection)
DFS(Dynamic Frequency Selection)は、動的周波数選択の意味で、 5GHz帯のW53(52ch~64ch)およびW56(100ch~144ch)のチャンネルを使用している際に、 無線デバイスから発信される電波干渉を防ぐ必要がある気象、航空レーダー信号を検知し場合、 動作周波数をレーダーと干渉しないものに動的に切り替える一連の仕組みのことです。
DFSの規定は国によって異なります。 日本では、5GHz帯対応のルーターやアクセスポイントにこの仕組みを搭載することが法律で義務付けられています。
DFS機能が有効になっている場合、ルーターはチャンネルの状態を検出し、起動時にDFSチャンネルをしようするか、非DFSチャンネルを使用するかを判断します。 非DFSチャンネルが割り当てられた場合、すぐに5GHz帯が利用可能になります。 もし、DFSチャンネルが割り当てられた場合は、DFS規定に従い、チャンネル可用性チェック(CAC: Channel Availability Check)が必要となります。 チャンネル可用性チェックの期間中は、5GHz帯の信号は接続できません。 国や地域によっては、チャンネル可用性チェックに1~10分掛かるため、ルーターが起動してもすぐにDFSチャンネルを利用することはできません。 チャンネル可用性チェック期間中も2.4GHz帯は利用可能なため、ネットワークを使用したい場合は2.4GHz帯を使用するか、 1~10分待ってから5GHz帯を使用する必要があります。
通常の動作中に、現在使用している特定のチャンネルをレーダーが使用していることをルーターが検知した場合、 ルーターは接続されているWi-Fiデバイスへの伝送を停止し、他の利用可能なチャンネルに動的に切り替えます。 この動作によって、ルーターに接続されているWi-Fiデバイスは別のチャンネルに再接続されるまでの間、一時的にネットワークから切断されます。
DFS障害回避機能では、レーダー波を検知したときに切り替える先のチャネルをあらかじめ準備しておきます。 具体的にはアクセスポイント内に無線LANの通信を実現するハードウエアをもう1つ別に用意しておき、 そのハードウエアを使って、実際に通信しているチャネルとは別のチャネルを監視し、レーダー波を検知しないことを常に確認します。 言ってみれば、バックアップ用のアクセスポイントを内部に用意しておくようなものです。 こうすることで使用中のチャネルでレーダー波を検知した場合でも、バックアップとして待機している別のチャネルに即座に移動して通信を継続できます。 新しいチャネルは60秒以上レーダー波がないことを確認済みなので、切り替えの際に待つ必要はありません。